相続で「手続きを終わらせる事務所」と「寄り添い続ける事務所」を分ける4つの違い

2026.09.04 10:50

 

 

相続は、家族や社会を弱くもするし、強くもする

相続の現場では、相続登記や遺産整理などの名義変更や相続税申告の裏側で、財産と家族の関係と故人の想いが次の世代に引き渡されています。
ここで、それら相続を迎えた方の横に誰が立つかで、家族の10年、20年が変わります。
そして、その場面に法的な責任を持って立てるのは士業だけだと私は信じています。

私たちSamikaは、「相続を通じて、家族と社会を強くする」をビジョンに、相続分野に取り組む士業事務所の経営を支援しています(会社としての考え方は「私たちについて」にまとめています)。

この記事では、その考え方を経営の言葉に置き換えます。
「手続きを終わらせる事務所」と「家族の先を見て、寄り添い続ける事務所」は、具体的に何が違うのか。
そして、何から変えればいいのか。

 

 

違い1:依頼された「手続きの先」を見ているか

手続きを終わらせる事務所は、依頼された業務の範囲で仕事を完結させます。
寄り添い続ける事務所は、依頼主がまだ言葉にしていないことを見ています。

  • 配偶者が相続した不動産を、次の相続でどうするのか
  • 残された親の生活資金と、認知症になった場合の備えはあるか
  • 兄弟間の関係は、次の相続でも保てるか

これは営業ではなく、家族の全体を見られる立場にいる士業の責任だと私たちは考えています。
二次相続提案や生前対策の提案は、この「先、外側を見る」ことの結果として自然に出てくるものです。

経営指標で言えば:受任一件あたりの提案率、生前対策・二次相続の受任率。
この数字がゼロに近い事務所は、依頼された範囲で仕事を終えている状態です。

 

 

違い2:顧客情報が「案件」ではなく「家族」の単位で残っているか

手続きを終わらせる事務所では、情報は案件ファイルの中に閉じ、完了とともに動かなくなります。
寄り添い続ける事務所では、家族構成、財産の概要、相談の経緯、担当者が感じた懸念が、家族単位で蓄積され、次の提案に使える状態になっています。

私たちは「AIそのもので差はつかない。差がつくのは顧客データと顧客関係の蓄積と継続接点」と考えていますが、その意味はここにあります。
どれだけ良いツールを入れても、家族単位の情報が残っていなければ、次の提案は生まれません。

経営指標で言えば:完了案件のうち、その後1年以内に接点(連絡・情報提供・面談)を持てた割合。

 

 

違い3:提案が「人」に依存していないか

多くの事務所で、先を見た提案ができるのは代表か、経験の長い一部の担当者だけです。
その人が忙しくなれば提案は止まり、退職すれば失われます。

寄り添い続ける事務所は、提案を個人の力量に任せていません。
「この状況の家族には、この時期に、この情報を届ける」という型を事務所として持ち、担当者が誰でも同じ水準で動けるようにしています。

これが、私たちが「人ではなく、事務所の力で」にこだわる理由です。
特別な一人を育てるより、事務所として続けられる形をつくる方が、家族にとっても事務所にとっても確実だからです。

経営指標で言えば:代表以外の担当者からの提案件数の割合。

 

 

違い4:手続き後の接点が「続く」設計になっているか

手続きが終わった瞬間に関係が切れる事務所と、その後も家族の相談先であり続ける事務所。
違いは、担当者の熱意ではなく、接点を続ける手段を事務所として持っているかどうかです。

年に数回のニュースレターだけでは足りず、かといって全員に電話をかけ続けることもできない。
だから私たちは、LINE公式アカウント拡張システム「サズカルステップ」を、顧客の属性や状況に合わせた情報提供と提案を、担当者の手を増やさずに続けるための装置として位置づけています。

経営指標で言えば:完了顧客からの再相談・紹介の件数。

 

 

では、何から変えるか

4つの違いを一度に埋めようとすると止まります。順番があります。

  1. まず、余裕をつくる 手続きに追われている状態では、外側を見る時間がありません。業務の標準化、進行管理、生成AIによる効率化で、まず時間を生む。ここでのAIは「楽になるため」ではなく、生まれた時間を提案に回すためのものです。私たちはこれを「削るためではなく、増やすためのAI」と呼んでいます。
  2. 次に、家族単位で情報を残す 新しいシステムを入れる前に、今の案件情報を「家族」の単位で見直す。次の相続、次の備えに関わる情報が、誰でも見られる場所にあるか。
  3. そして、提案の型と接点の手段を持つ 状況ごとの提案パターンを事務所として決め、それを届け続ける手段を持つ。ここで初めて、システムが成果に繋がります。
  4. 業績を、次の投資に回す 提案が増えれば受任単価とLTVが上がり、利益が残ります。その利益を人・システム・マーケティングに再投資する。業績アップは目的ではなく、寄り添い続けるための土台です。

 

 

おわりに

「そういう事務所にしたい」と思っている先生は、多いはずです。
できていない理由は、意思ではなく体制にあります。
そして体制は、人・スキル・規模に関係なくつくれます。

私たちは、相続分野に取り組む士業事務所に対して、マーケティング支援、生産性向上支援、生成AI活用支援、そしてサズカルステップの4つで、この体制づくりを支援しています。

自事務所が今どの段階にあるのか、何から手をつけるべきか。
現状を伺った上でご提案しますので、無料経営相談からお気軽にご相談ください。


執筆者のご案内

川崎 啓
株式会社 Samika
代表取締役 川崎 啓

東証一部上場のコンサルティング会社にて15年勤務し、士業事務所の相続・生前対策分野に特化したコンサル部隊を立上げ、累計300事務所を超える相続マーケティング、業務生産性向上の支援実績がある。

現在は株式会社 Samika(サミカ)を2024年1月に創業し、「士業」×「相続」の分野で経営コンサルティングを行っている。また、士業事務所の相続分野におけるマーケティングを支援するLINE拡張システム「サズカルステップ」を開発、提供しており、利用事務所を増やしている。

「『相続で家族、社会が強くなる』を応援する」をミッションとして、相続分野に取り組む士業事務所の経営、マーケティング、業務DX化支援を行っている。

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