LINEの友だちを増やしても、集客も受任も増えない

2026.09.18 16:12

士業事務所において、相続分野の集客・顧客フォロー、連絡手段としてLINEを活用する事務所様が増えてきました。

LINE公式アカウントの友だちが増えれば、問い合わせが増え、そのぶん受任も増えていく。
多くの事務所でそう考えられていますが、実際の運用データを見比べると、必ずしもそうはなっていません。

面談の場で友だち登録を呼びかけ、月に1〜2回コラムを配信している。
それでも、LINEから問い合わせが来るようになった実感も、受任が増えた実感もない。
相続分野に取り組む先生方から、こうしたご相談をいただくことが増えました。

成果を分けているのは、友だちの「数」ではなく、登録後に誰へ何を届けているかだと思います。

 

 

相続反響の10%、受任の13.7%がLINEから生まれている事務所

月60件規模の相談がある、とある相続特化型の司法書士法人様では、次のような結果が出ています。

  • 問い合わせのうち、LINE経由が約10%
  • 受任した顧客のうち、LINE経由が約13.7%

※サズカルステップ導入事務所における実績の一例です。
すべての事務所で同様の成果を保証するものではありません。

仮に年間の受任が200件規模の事務所に当てはめると、13.7%は約27件に相当します。
紹介や広告とは別に、接触のたびに費用が発生しない集客経路が、そのまま受任経路として機能している状態です。

ただ、この事務所の友だち数が突出して多いわけではありません。
同規模で友だち数も近いのに、LINE経由の問い合わせも受任もほとんどない事務所もあります。
同じツールで同じようにコラムを配信していても差が出るのは、運用の設計が違うからだと考えられます。

 

 

差を生むのは「誰に何を送るか」の設計

成果が出ている事務所では、受任した時点で顧客情報とLINEのユーザーIDを紐付けています。 誰が、どのような相談をし、いまどの段階にいるのかが分かる状態にしたうえで、配信内容を分けているのです。

  • 相続発生後・お子様あり
  • 相続発生後・お子様なし
  • 相続発生前・面談済み

それぞれに11〜12回の配信シナリオを用意し、今後起こり得る課題や検討しておきたい手続きを順番に伝えます。
受任後も、戸籍収集、遺産分割協議書の作成、登記申請といった業務工程に沿って、「いま何をしているか」「次に何が必要か」を連絡しています。

紐付けがなければ、相談直後の方にも、手続きを終えた方にも、同じ内容を送ることになります。
この状態でコンテンツを増やしても、全員に同じものが届く量が増えるだけです。
投資すべきなのは、コンテンツの種類よりも「出し分けの仕組み」ではないでしょうか。

 

 

出し分けは、ブロックを防ぐ施策でもある

配信頻度を上げて接触回数を増やしたい、と考える先生方も多いと思います。 ただ、メールと違ってLINEにはブロックがあります。 一度ブロックされれば、その方にLINEで情報を届けることはできません。 広告費をかけて得た問い合わせであれば、接点と投資の両方を失うことになります。

先ほどの事務所では、ブロック数が同規模の他事務所の半分以下に収まっています。
配信回数を絞っているからではなく、状況に合った内容が届いているためです。

出し分けは、読まれる確率を上げると同時に、獲得した接点を失う確率を下げる施策でもあります。

自事務所の場合、どのような区分で配信を分けるのがよいか。
サズカルステップでは、こうした配信設計を事務所ごとの業務に合わせて一緒に組み立てています。
区分の整理から検討したいという段階でも、お気軽にご相談ください。

 

 

「情報配信」の案内では、登録されにくい

そもそも友だち登録が進まない、という課題もあります。 「役立つ情報を配信しています」と伝えても、手続きの最中にいる方にとって、情報が増えることは必ずしも価値になりません。

そこで、案内の仕方を変えます。
「書類や本人確認書類の写真を、LINEで送っていただけます」
まず手続きを進めやすくする連絡手段として案内し、情報配信は付加価値として添える形です。
そのうえで面談の場でQRコードを提示し、その場で登録していただきます。
「後でご登録ください」では、実行されないまま終わることが少なくありません。

窓口となるご家族以外とつながることも大切です。
相続人が配偶者とお子様2名であれば、お子様から本人確認書類を提出していただく際にもLINEを使えます。
お子様世代は将来の相続の当事者でもあり、二次相続を見据えた接点にもなります。

 

 

まず確認したい3つの数字

自事務所のLINE活用が成果につながる状態かどうかは、次の3点で見えてきます。

  1. 直近1年の問い合わせと受任のうち、LINE経由はそれぞれ何件あったか
  2. 受任した顧客のうち、LINEのユーザーIDを紐付けた件数は何件か
  3. 配信が、全員への一斉配信だけになっていないか

もし2がゼロに近いのであれば、友だちを増やす前に着手すべき場所はそこだと思います。

LINE活用の目的は、大勢に同じ情報を届けることではありません。
相談や手続きで生まれた接点を、顧客の状況が分かる形で残し、必要なタイミングで必要な案内を届けることです。

サズカルステップでは、顧客情報とLINEユーザーの紐付けから、相続発生前後や家族構成に応じたステップ配信、受任後の進捗連絡までを事務所ごとに設計しています。
LINE公式アカウントを運用しているものの、集客や受任につながっていないと感じている先生方は、現在の「つながり方」を見直すところから、ぜひご相談ください。


執筆者のご案内

川崎 啓
株式会社 Samika
代表取締役 川崎 啓

東証一部上場のコンサルティング会社にて15年勤務し、士業事務所の相続・生前対策分野に特化したコンサル部隊を立上げ、累計300事務所を超える相続マーケティング、業務生産性向上の支援実績がある。

現在は株式会社 Samika(サミカ)を2024年1月に創業し、「士業」×「相続」の分野で経営コンサルティングを行っている。また、士業事務所の相続分野におけるマーケティングを支援するLINE拡張システム「サズカルステップ」を開発、提供しており、利用事務所を増やしている。

「『相続で家族、社会が強くなる』を応援する」をミッションとして、相続分野に取り組む士業事務所の経営、マーケティング、業務DX化支援を行っている。

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