ChatGPTの中に広告が表示されるようになり、自社でも試すべきか検討している経営者の方も多いと思います。
株式会社Samikaでも、士業事務所向けの集客施策として先行して出稿してみました。
この記事では、まずChatGPT広告がどんな広告で、Google広告などの検索広告と何が違うのかを簡単に整理します。
そのうえで、実際に試して分かったことと、始める前に決めておきたいことをお伝えします。
ChatGPT広告とは
ChatGPT広告は、ChatGPTの回答の下に「スポンサー」と明示して表示される広告です。
2026年2月に米国で試験的に始まり、日本でも2026年6月から配信が始まりました。
広告が表示されるのは、18歳以上で無料プランまたは低価格のGoプランを使っている人です。
Plusなど上位の有料プランの利用者には表示されません。
また、健康や政治といった話題の会話では表示されない仕組みになっています。
OpenAIは、広告がChatGPTの回答内容に影響しないこと、広告主に会話の内容は共有されないことを説明しています。
広告主が受け取れるのは、表示回数やクリック数などの集計データです。
Google広告などの検索広告との違い
実際に使ってみて、検索広告との違いとして大きいと感じたのは次の3点です。
表示のきっかけが「キーワード」ではなく「会話の文脈」
Google検索広告は、「相続 司法書士」のような検索キーワードに合わせて表示されます。
一方のChatGPT広告は、ユーザーとChatGPTの会話の流れに合わせて表示されます。
広告主は、どんな相談をしている人に届けたいかを「コンテキストのヒント」として文章で設定します。
キーワードを一つずつ選ぶのではなく、届けたい相手の状況や悩みを言葉で描写するイメージです。
どんな会話で表示されたかは見えない
Google広告では、実際にどんな言葉で検索されたかをレポートで確認し、関係のない検索語句を除外しながら精度を上げていけます。
ChatGPT広告では、会話の内容が広告主に共有されないため、どんな会話の中で表示・クリックされたのかは分かりません。
年齢や役職などで絞り込めない
SNS広告のように、年齢・性別・興味関心といった属性で配信先を絞る機能も、2026年10月時点では用意されていません。
地域の指定はできますが、「どんな人に届けるか」は、基本的にコンテキストのヒントの書き方で決まります。
この3つの違いは、実際に使ってみると、良い面にも難しい面にもなりました。
Samikaで試したこと
届けたかった相手は、相続・生前対策に取り組む士業事務所の代表や部門責任者です。
経営・集客・生成AI活用などをテーマにしたレポートを用意し、そのダウンロードを広告の目的にしました。
最初のキャンペーンと、設定を見直した2つ目のキャンペーンを合わせた結果は、次のとおりです。
クリック数:245
広告費:約6.8万円
クリック単価:約276円
広告経由CVと確認できたレポート申込:0件
サイトへの送客はできましたが、目的にしていたレポートの申込は確認できず、現在はいったん配信を止めています。
Samikaでは、相続分野に取り組む士業事務所の先生方に向けて、マーケティングと生産性向上のノウハウをメルマガ「相続GROWTH通信」でお届けしています。ご登録いただいた方には、特典「相続分野の経営指標レポート2026」をお送りします。
良かった点:立ち上げが早く、見直しも効く
まず感じたのは、広告を出すまでの進めやすさです。
キーワードを一つずつ洗い出す必要がないため、誰に届けたいか、どんな課題を持つ人に役立つかを整理すれば、すぐに設定に入れます。
その整理自体もChatGPTに相談しながら進められ、司法書士事務所向け、税理士事務所向け、生成AI活用向けといった複数の切り口を、短い期間で形にできました。
設定を見直したことで、数字も動きました。
最初のキャンペーンはクリック率0.48%、クリック単価約391円でしたが、2つ目はクリック率0.91%、クリック単価約232円です。
クリック単価は約4割下がり、専門的なテーマでも反応を高められることは確認できました。
始める前に決めておきたい3つのこと
一方で、クリックの先にある成果は確認できませんでした。
振り返ると、評価が難しくなった理由の多くは、配信を始める前の準備にあったと考えています。
1. 成果をどこで測るか
クリックは成果ではなく、入口にすぎません。
今回の目的はレポートの申込でしたが、クリックした人がどこで離れたのかを、十分に切り分けられませんでした。
広告の訴求と関心がずれていたのか。
ランディングページで期待に応えられなかったのか。
フォームの入力が負担だったのか。
計測そのものに確認すべき点があったのか。
今の時点では、原因を一つに絞れていません。
ページへの到達からフォーム送信まで、段階ごとに数字を追える状態をつくってから配信する。
次に試すなら、ここを最初に整えたいと思います。
2. 誰に届いたかを、どう確かめるか
先ほど触れたとおり、ChatGPT広告では、どんな会話で表示されたかが見えず、属性で絞り込むこともできません。
そのため、クリックが発生しても、その人が狙った相手だったかまでは分かりません。
今回のように「士業事務所の経営者」と対象をかなり絞ったBtoBの商材では、この点が評価を難しくしました。
対象を絞った商材ほど、リンク先やフォームの側で「どんな人が来たのか」を確かめる工夫を、先に用意しておきたいところです。
3. いくら使ったら止めるか
今回は、レポート申込1件あたりの獲得単価を、できれば1万円台、高くても2万〜3万円程度と置いていました。
この目安に照らすと、約6.8万円は、少なくとも2〜3件の申込があってよい金額です。
そこで申込が確認できなかった時点で、配信を止めています。
あと少し続ければ成果が出た可能性はあります。
ただ、可能性だけを根拠に予算を足していくと、検証はいつまでも終わりません。
停止条件は、成果が出ていないときではなく、始める前に決めておく。
新しい媒体ほど、この順番が大切だと感じています。
停止は、次に試すための判断材料
今回の停止は、ChatGPT広告に可能性がないという結論ではありません。
今回のレポート、ランディングページ、フォーム、計測の組み合わせでは、目標とする成果を確認できなかったという判断です。
約6.8万円で、立ち上げやすさと、設定の見直しでクリック率やクリック単価が改善することは確認できました。
同時に、クリックの先を追える準備がなければ、媒体の良し悪しも判断できないことが分かりました。
この2つが分かったこと自体が、次に試すときの材料になると考えています。
これからChatGPT広告を試す会社へ
ChatGPT広告は、新しい訴求を小さく試す手段として、検討する価値はあると思います。
そのときは広告文を作り込む前に、「何で成果を測るか」「誰に届いたかをどう確かめるか」「いくらで止めるか」の3点を先に決めておくことをおすすめします。
Samikaでは、士業事務所の広告運用や、新しい集客施策の検証の進め方についてご相談を受け付けています。お気軽にご相談下さい。

