
相続手続きを終えた依頼主は、実は二次相続対策のニーズを最も抱えている層です。
にもかかわらず、多くの事務所では、そこから二次相続の提案までは手が回っていません。
手続きを無事に完了させることで、いったん区切りがついてしまう。
提案したい気持ちはあっても、資料を用意する手間を考えると、なかなか毎回はやりきれない。
あるいは、二次相続提案という観点そのものが、業務の流れの中で抜け落ちている。
理由はどうあれ、結果として起きているのは同じことです。
本来つなげられるはずの提案を、みすみす逃してしまっている。
これは事務所にとっても、依頼主にとっても、非常にもったいない状態です。
では、なぜやりきれないのか。
突き詰めると、提案資料を毎回きちんと用意するのが、手間もかかり、属人的になりやすいからです。
「この依頼主に、どの対策を、どう提案するか」を一件ずつ組み立てるのは、それなりに時間がかかります。
忙しい実務の合間に、毎回それをやりきるのは難しい。
だから提案は、担当者が覚えていれば口頭でなんとなく、という形になりがちで、実施率も上がっていきません。
支援先での実際の課題
実際に弊社が生成AIの導入を支援した、とある相続特化型の司法書士法人様も、まさにこの状態でした。
二次相続の提案資料は、ほとんど作られていませんでした。
提案が必要な場面でも、代表の方が口頭でなんとなく切り出すにとどまり、資料として毎回きちんと用意されることはなかった。
結果として、そもそも二次相続提案を実施する率自体が低い、という課題を抱えていました。
やりたくないわけではない。
やったほうがいいのも分かっている。
ただ、毎回きちんと用意する仕組みがないから、やりきれない。それだけのことでした。

やったこと:初回ヒアリングの音声から、提案資料を生成する
そこで組んだ仕組みは、考え方としてはシンプルです。
初回ヒアリングの面談音声を、音声議事録アプリ(Notta)でテキスト化する。
そのテキストを生成AI(Claude Code)に渡すと、二次相続提案のための資料が自動で出てきます。
出力までにかかる時間は、およそ3〜5分です。
しかも、生成を待っている間、スタッフは別の仕事を進めていて構いません。
実質的に、担当者の手が止まる時間はほとんどないと言っていい水準です。
これまで「手間がかかるから毎回はやりきれない」と後回しにされていた提案資料が、面談の音声を渡すだけで、面談のたびに手元にそろう。
やりきれなかった提案が、やりきれる状態に変わるわけです。
出てくるのは、次の3点です。
ひとつ目は、依頼主に手渡すヒアリング振り返りサマリー。
初回面談で依頼主が語ったことを整理し、依頼主自身の発言をそのまま引用して提示します。
「あのとき、こうおっしゃっていましたよね」から必要性へ自然に接続できる、A4一枚の資料です。
ふたつ目は、必要度チェックリスト。
事務所が元々持っていた54項目のチェックリストに、面談内容から判定したチェックが自動で付いた状態で出てきます。
どの対策が必要そうか、依頼主と一緒に目で見て確認できます。
三つ目は、スタッフ向けの面談時アプローチガイド。
当日の進め方、重点的に触れるべき点、逆に避けたほうがよい話題などを、事前の下準備としてまとめたものです。これは依頼主には見せません。
この仕組みには、もうひとつ副次的な効果があります。
提案の起点が、事務所の都合ではなく、依頼主自身の言葉になるという点です。
「二次相続の対策をしませんか」ではなく、「あのとき、娘さんの代に負担をかけたくないとおっしゃっていましたよね」から入る。
初回ヒアリングで依頼主が語った言葉をそのまま使うので、提案が唐突な売り込みにならず、ヒアリングの自然な続きになります。
もっとも、これはあくまで副次的なものです。
いちばんの価値は、これまでやりきれていなかった二次相続提案を、毎回きちんと用意できる状態になることにあります。
先生方の事務所では、いかがでしょうか
相続手続きの完了で、そこから先の提案が止まってしまっていないでしょうか。
やりたくてもやりきれない、あるいは観点そのものが抜けている。もしそうだとしたら、それは非常にもったいないことです。
初回ヒアリングの中には、次の提案につながる依頼主の言葉が、すでにいくつも出ています。
それを毎回きちんと提案の形にする仕組みを、自事務所でどう組み立てられるか。具体的に検討してみたい先生方は、ぜひ一度ご相談ください。



