LINE公式アカウントを持っているのに「活用できていない」事務所の共通点

2026.04.14 13:11

Samikaでは相続・生前対策分野に注力する士業事務所を支援していますが、これまでLINE公式アカウントを開設しているものの有効活用できていないケースを多く目にしてきました。

開設から半年経っても友だち数が50人未満、配信頻度は月1回以下、メッセージの既読率も10%を切っている。このような状態では、せっかくの顧客接点ツールが宝の持ち腐れになってしまいます。

本記事では、LINE公式アカウントが「活用できていない」事務所に共通する課題パターンを整理し、その原因と改善の方向性を、支援現場での実例を交えながら解説していきます。

 

なぜLINE公式アカウントが「放置状態」になるのか

 

1. 「とりあえず作った」だけで戦略がない

LINE公式アカウントを活用できていない事務所の最大の共通点は、「なぜLINEを使うのか」という目的が曖昧なまま開設していることです。

「競合事務所も始めたから」「無料だから試してみよう」という動機で始めた結果、運用方針が定まらず、配信内容も行き当たりばったりになります。結果として、事務所からのお知らせを不定期に流すだけのツールになってしまうのです。

 

2. 「登録してもらう理由」を提供できていない

ホームページに「LINE友だち登録はこちら」というボタンを設置しただけでは、顧客は登録してくれません。なぜなら、登録するメリットが見えないからです。

支援先事務所の分析によると、登録率が低い事務所は以下のような特徴があります:

  • 登録特典がない、または魅力的でない
  • 「事務所の最新情報をお届け」という曖昧な訴求
  • QRコードを置いているだけで、登録を促す工夫がない

一方、登録率が高い事務所は「相続手続きチェックリスト」「遺言書のひな形」など、具体的で実用的な特典を用意し、それを明確に訴求しています。

 

3. 配信内容が「事務所目線」になっている

配信を続けていても反応が得られない事務所は、配信内容が「事務所が伝えたいこと」に偏っている傾向があります。

典型的な失敗パターン:

  • 事務所の営業時間変更のお知らせ
  • スタッフの入社・退社情報
  • 法改正の条文解説(専門的すぎる内容)
  • セミナー開催の告知ばかり

これらの情報は、顧客にとって価値が低く、「また営業か」と思われてブロックされる原因になります。

 

活用できていない事務所に共通する「構造的な課題」

 

運用体制の不在

多くの事務所では、LINE配信を「誰かがやる」という曖昧な状態で運用しています。専任担当者がおらず、配信頻度もコンテンツ品質も安定しません。

ある支援先事務所では、開設当初は代表が配信していましたが、業務多忙により3ヶ月で更新が止まりました。その後、事務スタッフに引き継ぎましたが、何を配信すればよいかわからず、結局放置状態に。このようなケースは珍しくありません。

 

効果測定をしていない

LINE公式アカウントには、メッセージの開封数、クリック率、友だち数の推移など、様々な分析機能があります。しかし、これらのデータを確認すらしていない事務所が大半です。

効果測定をしないということは、改善のPDCAが回らないということ。配信しても反応がない理由を分析せず、同じような配信を続けることで、ますます顧客は離れていきます。

 

「集客ツール」という誤解

LINE公式アカウントを「新規顧客を獲得するツール」と考えている事務所も多いですが、これは大きな誤解です。LINEは本来、既存の接点を持った見込み顧客との関係を深めるツールです。

相続相談会に参加した方、資料請求をした方、一度相談に来たが受任に至らなかった方—こうした「温度感のある見込み顧客」との継続的な関係構築にこそ、LINEの真価があります。

 

LINE活用を「仕組み化」するための考え方

 

1. 目的と役割を明確化する

まず、LINE公式アカウントを「何のために」使うのかを明確にすることが重要です。

成功している事務所の活用目的例:

  • 相談後のフォローアップ(将来案件の獲得)
  • セミナー参加者との継続的な関係構築
  • 相続・生前対策の啓蒙による潜在ニーズの掘り起こし

これらの目的に応じて、配信内容、頻度、運用体制を設計していきます。

 

2. 顧客視点でコンテンツを設計する

配信内容は「顧客が知りたいこと」を中心に組み立てます。支援先事務所で反応率が高いコンテンツの例:

  • 相続手続きの期限と優先順位
  • 相続税がかかるかどうかの簡易判定方法
  • 認知症になる前にやっておくべき3つのこと
  • 実家の片付けを始めるタイミング

これらは、顧客が日常的に抱える疑問や不安に寄り添った内容です。

 

3. ステップ配信で関係を深める

単発の配信ではなく、段階的に情報提供していくステップ配信の仕組みを構築することで、顧客との関係を着実に深めることができます。

例えば、友だち登録後の流れを以下のように設計します:

  1. 登録直後:お礼メッセージ+登録特典の提供
  2. 3日後:相続の基礎知識(わかりやすい入門編)
  3. 1週間後:よくある相続トラブルと対策
  4. 2週間後:生前対策の重要性
  5. 3週間後:無料相談の案内

このように、段階的に専門性を高めながら、自然な流れで相談につなげていきます。

 

4. 運用を仕組み化する

属人的な運用から脱却し、誰でも一定品質の配信ができる仕組みを作ることが重要です。

具体的には:

  • 配信スケジュールの年間計画
  • コンテンツテンプレートの整備
  • 配信承認フローの明確化
  • 効果測定レポートの定期作成

こうした仕組み化により、担当者が変わっても安定した運用が可能になります。

 

まとめ:LINE活用は「顧客との関係構築」から始まる

LINE公式アカウントが活用できていない事務所の共通点は、「とりあえず始めた」「事務所目線の配信」「運用体制の不在」に集約されます。

これらの課題を解決するには、LINEを単なる情報配信ツールではなく、見込み顧客との関係を深めるためのコミュニケーションツールとして位置づけ直すことが必要です。

顧客視点でのコンテンツ設計、ステップ配信による段階的な関係構築、そして運用の仕組み化。これらを実現することで、LINE公式アカウントは事務所の重要な顧客接点として機能し始めます。

自社での仕組み化が難しい場合は、相続・生前対策分野に特化したLINE活用の仕組みを導入する方法もあります。Samikaが提供する「サズカルステップ」のように、士業事務所の顧客フォローに必要な配信コンテンツとステップ配信の仕組みがパッケージ化されたツールを活用することで、運用負担を大幅に削減しながら、顧客との関係構築を進めることができます。

LINE活用の本質は、顧客との信頼関係を時間をかけて醸成することにあります。その視点を持って、改めて自事務所のLINE活用を見直してみてはいかがでしょうか。


執筆者のご案内

川崎 啓
株式会社 Samika
代表取締役 川崎 啓

東証一部上場のコンサルティング会社にて15年勤務し、士業事務所の相続・生前対策分野に特化したコンサル部隊を立上げ、累計300事務所を超える相続マーケティング、業務生産性向上の支援実績がある。

現在は株式会社 Samika(サミカ)を2024年1月に創業し、「士業」×「相続」の分野で経営コンサルティングを行っている。また、士業事務所の相続分野におけるマーケティングを支援するLINE拡張システム「サズカルステップ」を開発、提供しており、利用事務所を増やしている。

「『相続で家族、社会が強くなる』を応援する」をミッションとして、相続分野に取り組む士業事務所の経営、マーケティング、業務DX化支援を行っている。


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