相続WEB集客の費用対効果を改善するリスティング広告改善テクニック

2026.04.16 09:30

「なぜ自事務所の相続広告は費用対効果が悪いのか?」

「相続関連のリスティング広告、クリック単価が月を追うごとに上がっていく...」
「広告費は増えているのに、問い合わせ数が比例して増えない」
「CPAが5万円を超えてしまい、このまま続けるべきか悩んでいる」

相続分野でWEB集客に取り組む士業事務所から、こうした声をよく耳にします。

特に2024年以降、相続登記義務化を背景に競争が激化し、主要キーワードのクリック単価は軒並み上昇傾向にあります。
また、現在リスティング広告代行企業に丸投げしているけど、費用対効果が合ってないかもと悩む先生方からのご相談も増えています。

 

なぜ相続広告の費用対効果は悪化しやすいのか

 

構造的な要因:参入障壁の低さと競争激化

相続分野のリスティング広告が高騰している背景には、いくつかの構造的な要因があります。

第一に、参入障壁の低さです。相続手続きは士業の基本業務であり、多くの事務所が「とりあえず相続キーワードに出稿」という形で参入してきます。
その結果、「相続税 税理士」「相続手続き 費用」といった主要キーワードには、数十社が入札する状況が生まれています。

第二に、大手事務所や資本系企業の参入です。月額数百万円規模の広告予算を投下できるプレイヤーが増え、個人事務所や中小規模事務所では太刀打ちできないケースも増えています。
特に相続税申告をめぐる競争は激化しており、この傾向が顕著です。


 


運用面の課題:「なんとなく運用」の落とし穴

しかし、費用対効果が悪い原因は外部環境だけではありません。
多くの事務所で見られる運用上の課題として、以下のようなものがあります。

  • キーワード選定の甘さ:「相続」を含む全てのキーワードに漫然と入札
  • 地域設定の不備:実際の商圏と配信地域のミスマッチ
  • 広告文の差別化不足:どの事務所も似たような訴求内容
  • LPの受け皿不足:広告をクリックした後の導線が弱い

支援先事務所の中には、クリック単価が500円を超えるキーワードの多くが実際の受任につながっていないケースも見られます

 

費用対効果を改善する3つのアプローチ

 

1.「捨てるキーワード」を明確にする

多くの事務所は「相続」関連キーワードを網羅的に狙いがちですが、実はこれが最大の落とし穴です。

例えば、ある支援先税理士事務所では、過去6ヶ月の広告データを分析し、以下のような基準でキーワードを整理しました。

残すキーワード:

  • コンバージョン率3%以上
  • 「地域名+相続手続き」など具体性の高いもの
  • 相続税申告に関するキーワード

除外するキーワード:

  • 「相続手続き」関連(司法書士、行政書士向けクエリ)
  • 「相続紛争」関連(弁護士関連)
  • 情報収集系クエリ(「流れ」「必要書類」「とは」など)

この整理により、月額広告費は50万円から35万円に減少し、問い合わせ数は1.2倍に増加したケースもあります。

 

2. 地域×サービスでニッチトップを狙う

「相続」という大きなキーワードで勝負するのではなく、地域とサービスを掛け合わせたニッチ領域で1位を取る戦略も有効です。

例えば:

  • 「○○市 相続税 相談」
  • 「○○区 相続 司法書士」
  • 「○○駅 相続手続き 土日相談」

別の支援先事務所では、半径5km圏内に絞り込み、「地域名+相続手続き+特徴」の3語キーワードを中心に運用。
クリック単価を300円程度に抑えながら、コンバージョン率5%を維持しています。

 

3. 広告文とLPの「一貫性」を高める

広告のクリック率は高いのに問い合わせにつながらない場合、多くは広告文とランディングページ(LP)のミスマッチが原因です。

効果的な改善例:

Before(一般的な広告文): 「相続手続きは司法書士へ|初回相談無料|○○事務所」 → LPも一般的な事務所紹介ページ

After(ターゲット特化型): 「平日忙しい方へ|土日も相続相談OK|○○駅徒歩3分」 → LP冒頭で「土日相談の流れ」を具体的に説明

広告文で訴求した内容を、LPのファーストビューで必ず受け止める。この一貫性だけで、コンバージョン率が2%から4%に改善した事例もあります。

 


実践のヒント:計測と改善のサイクルを回す

 

KPIダッシュボードで「見える化」する

改善を継続するには、日々の数値を追いかける仕組みが不可欠です。最低限、以下の指標は週次で確認しましょう。

  • CPA(獲得単価):1件の問い合わせを獲得するのにかかった広告費
  • CVR(コンバージョン率):クリック数に対する問い合わせ率
  • 検索語句レポート:実際にどんなキーワードでクリックされているか

 

A/Bテストで小さく試す

大きな予算をかけて一気に改善しようとするのではなく、小さなテストを繰り返すことが重要です。

例えば、

  • 広告文のA/Bテスト(訴求ポイントを変える)
  • 入札時間帯の調整(平日日中 vs 夜間・週末)
  • デバイス別の入札調整(PC重視 vs スマホ重視)

1週間単位でテストを回し、効果があったものを本格展開する。このサイクルを回すことで、3ヶ月後には大きな改善が見込めます。

 

広告以外の受け皿も整備する

最後に、リスティング広告の改善と並行して、広告に頼らない集客基盤の構築も重要です。

一度問い合わせをいただいた方を、LINE公式アカウントでフォローする。定期的に相続・生前対策の情報を配信し、信頼関係を構築する。こうした仕組みがあれば、今すぐ案件にならなかった相談者も、将来の顧客として育成できます。

 

まとめ:「賢い撤退」と「集中投資」を

相続分野のリスティング広告は、今後も競争激化が予想されます。しかし、だからといって広告を諦める必要はありません。

重要なのは、効果の出ないキーワードからは賢く撤退し、勝てる領域に集中投資すること。
そして、獲得した見込み客を確実に受任につなげ、さらに既存顧客として長期的な関係を構築することです。


「なんとなく相続広告を出している」状態から脱却し、データに基づいた改善を続ける。
この地道な取り組みが、持続可能な集客基盤につながります。

本記事で紹介した改善アプローチについて、より詳しい実践方法や貴事務所での活用可能性についてご関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。


執筆者のご案内

川崎 啓
株式会社 Samika
代表取締役 川崎 啓

東証一部上場のコンサルティング会社にて15年勤務し、士業事務所の相続・生前対策分野に特化したコンサル部隊を立上げ、累計300事務所を超える相続マーケティング、業務生産性向上の支援実績がある。

現在は株式会社 Samika(サミカ)を2024年1月に創業し、「士業」×「相続」の分野で経営コンサルティングを行っている。また、士業事務所の相続分野におけるマーケティングを支援するLINE拡張システム「サズカルステップ」を開発、提供しており、利用事務所を増やしている。

「『相続で家族、社会が強くなる』を応援する」をミッションとして、相続分野に取り組む士業事務所の経営、マーケティング、業務DX化支援を行っている。


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