相続WEBマーケティングの費用対効果を大きく改善する6つの絞り込み戦略

2026.03.24 10:49

「リスティング広告を出しているけど成果が上がらない」という悩み

「Google広告をかけているのに反響が増えない」
「リスティング広告運用代行会社に任せているが、費用対効果が見えない」


相続分野に取り組む事務所のご担当者から、こうした声を多くいただきます。

ウェブマーケティングにおける大枠のKPIは売上に占める販促費の割合が20%以内が一つの目安です。


かけた費用の5倍の売上が作れているなら、そのマーケティングは機能している。
であれば、予算をさらに増やして反響・売上の拡大が見えてきます。

パフォーマンスが上がらない最大の原因は、広げすぎです。
ターゲット・エリア・キーワード・配信スケジュール、あらゆる軸で「絞る」ことができていないために、全体の効率が下がっています。

本記事では、Samikaが支援先の事務所と実際に取り組んでいる「絞り込みの観点」を体系的にまとめます。
代行会社に運用を任せている場合も、現状の見直しを依頼するための確認軸としてご活用ください。

 

6つの絞り込み戦略

 

① 業種の独占領域キーワードに絞る

まず問うべきは「自事務所が最も強みを発揮できるキーワードは何か」です。
相続分野においては、業種ごとに独占業務があります。

  • 弁護士:相続トラブル・遺産分割・相続紛争
  • 税理士:相続税申告
  • 司法書士:相続登記

まずこの独占領域でエリア内の「一番」を取ることが先決です。
独占業務からの反響が安定していない段階で、「生前対策」「遺言作成」などの周辺ニーズに広告を広げても、全体のパフォーマンスは上がりません。

コアとなる業務キーワードに予算を集中させ、周辺ニーズは一旦停止する。それが最初の一手です。

実践ポイント:独占領域以外の広告グループは一時停止し、コアキーワードに予算を集中する。

 

② 配信エリアを「来所できる範囲」に絞る

反響が取れても、来所に至らなければ意味がありません。
相続案件は対面相談が基本です。

「電車で1時間以上かかる」「車がないと来られない」という層は、見込み客ではなく広告費の浪費です。

事務所の立地・交通アクセスを踏まえ、実際に来所・相談につながる現実的な商圏内に限定する。
これだけでクリックあたりの受任率は大きく改善します。

来所実績のあるエリアのデータがあれば、それを基準に設定を見直すのが最も確実です。

実践ポイント:Google広告のロケーションターゲットを、来所実績のある市区町村ベースで設定し直す。

 

③ 年齢ターゲットを45歳以上に絞る

相続案件の主要顧客は、親の相続に直面する45歳以上の中高年層です。
20〜30代がGoogle検索から相続手続きを依頼してくるケースは稀です。

にもかかわらず、多くの事務所が年齢設定をデフォルト(全年齢)のまま配信しています。
Google広告のオーディエンス設定を活用し、若年層への配信は入札調整(マイナス設定)または停止することで、費用対効果は改善します。

年齢別のコンバージョンデータを確認すれば、その差は数字で明確に見えてきます。

実践ポイント:年齢別コンバージョンデータを確認し、45歳未満の入札単価を大幅に引き下げる。

 

④ 配信スケジュールを「電話対応できる時間帯」に絞る

相続サイトへの問い合わせは、8割以上が電話というのが多くの事務所の実態です。
メールフォームやLINEからの反響はまだ少数派です。

つまり、事務所が閉まっている深夜・休日に広告を配信しても、電話がかかってきた瞬間につながらず、そのまま競合他社へ流れます。
広告費だけが消えていく構造です。

事務所が開いていて、スタッフが電話対応できる曜日・時間帯に限定して配信する。これも重要な絞り込みの観点です。

実践ポイント:広告スケジュール機能を使い、営業時間外・定休日は配信停止または入札を大幅に引き下げる。

 

⑤ 広告グループの「1グループ1ニーズ」原則を徹底する

広告グループには、出稿キーワード・広告文・リンク先(LP)を紐づける役割があります。
ここに複数の顧客ニーズを混在させると、広告文のメッセージがぶれ、Googleの品質スコアも下がります。

たとえば「相続登記」と「遺産整理」を同一グループに入れると、どちらの顧客にも刺さらない広告文になります。
1グループに絞ったニーズ・キーワード・広告文・LP遷移先を一本線でつなぐことが、品質スコアと成約率の両方を上げる基本です。

実践ポイント:広告グループをニーズ単位で分割・整理し、キーワード・広告文・LP遷移先の整合性を見直す。

 

⑥ マッチタイプを「部分一致依存」から脱却する

多くの事務所が、出稿キーワードを部分一致(インテントマッチ)のままにしています。
これはGoogleが「関連している」と判断した幅広いクエリに広告を表示する設定です。

検索クエリレポートを確認すると、本来ターゲットにしていないワードでも広告が表示され、無駄なクリックが発生していることがわかります。

対策は2段階で進めます。

  1. フレーズ一致・完全一致への切り替えで配信クエリの精度を高める
  2. 「無料」「自分で」「書き方」など受任につながらないワードを除外キーワードとして継続的に設定する

除外キーワードの設定は一度やれば終わりではありません。
月次で検索クエリレポートを確認し、コンバージョンに貢献していないキーワードを継続的に追加していく運用フローを作ることが重要です。

実践ポイント:月次で検索クエリレポートを確認し、不要なキーワードを除外リストに追加し続ける運用フローを整備する。

 

まとめ:「絞る」ことが最強の費用対効果改善策

6つの絞り込み観点を整理します。

絞る観点具体的アクション
キーワード独占領域に集中、周辺ニーズは一時停止
エリア来所可能な商圏内に限定
年齢45歳以上にターゲット設定
配信時間電話対応可能な営業時間帯に限定
広告グループ1グループ1ニーズで整合性を確保
マッチタイプフレーズ一致・完全一致+除外キーワード継続設定

これらの絞り込みを段階的に実施することで、同じ広告予算でも反響の質と量が改善し、販促比率20%以内という目標に近づけます。

どれか一つに手を入れるだけでも効果は出ます。まずは検索クエリレポートとエリア設定の確認から着手してみてください。

 

現状の広告運用を見直したい方へ

「広告費をかけているが費用対効果が見えない」という場合、まずは現状の数値を可視化するところから始めることをおすすめします。

株式会社Samikaでは相続分野に特化したWEBマーケティング支援を行っています。お気軽にご相談ください。


執筆者のご案内

川崎 啓
株式会社 Samika
代表取締役 川崎 啓

東証一部上場のコンサルティング会社にて15年勤務し、士業事務所の相続・生前対策分野に特化したコンサル部隊を立上げ、累計300事務所を超える相続マーケティング、業務生産性向上の支援実績がある。

現在は株式会社 Samika(サミカ)を2024年1月に創業し、「士業」×「相続」の分野で経営コンサルティングを行っている。また、士業事務所の相続分野におけるマーケティングを支援するLINE拡張システム「サズカルステップ」を開発、提供しており、利用事務所を増やしている。

「『相続で家族、社会が強くなる』を応援する」をミッションとして、相続分野に取り組む士業事務所の経営、マーケティング、業務DX化支援を行っている。