なぜ今、相続事務所に“顧客LTV向上”が求められるのか
相続分野を取り巻く環境は、2026年に入りさらに大きな転換点を迎えています。
当社では、士業事務所の経営者・相続部門責任者の皆様に向けて、最新の市場データと実践的な成長戦略をまとめた「2026年度 士業事務所向け 相続分野最新トレンドレポート」を公開しました。
本記事では、レポートの内容から特に重要なポイントを抜粋してお伝えします。

相続市場は継続的に成長。しかし、顧客獲得競争は益々激化
厚生労働省の人口動態統計によると、2024年の年間死亡者数は160万人に達し、過去最多を4年連続で更新しました。国税庁の令和5年分データでは、相続税の課税割合は9.9%と過去最高を記録し、約10人に1人が相続税の申告対象となっています。
市場そのものは確実に拡大しています。
しかし、その恩恵を受けているのは一部の大手相続専門法人が中心です。税理士法人では年間6,000件超、司法書士・行政書士法人では年間18,000件超を処理する法人が存在し、シェアの一極集中が加速しています。
さらに、AI活用による低価格オンラインサービスが台頭し、相続登記8,250円、相続税申告69,800円〜といった価格帯のサービスが登場。テクノロジー主導の価格破壊は、今後さらに進むことが見込まれます。
つまり、「市場が伸びているから大丈夫」ではなく、市場が伸びている今のうちに、収益構造そのものを見直す必要があるということです。
2026〜2027年、制度変更が相次ぐ「今」が転換点
2026年は相続関連の制度変更が集中する年でもあります。
2026年2月には「所有不動産記録証明制度」が開始され、全国の不動産を一括で把握できるようになりました。4月には「住所等の変更登記の申請義務化」が施行され、正当な理由なく2年以内に変更登記をしなかった場合には5万円以下の過料が科されます。
そして、2024年4月に施行された相続登記の申請義務化については、過去の未了分の申請期限が2027年3月末に迫っています。
これらの制度変更は新たな業務需要を生み出す一方で、手続きのデジタル化・簡素化の流れも加速させており、単純な手続代行の付加価値は低下の一途を辿っています。

中堅事務所が目指すべきは「顧客単価・LTV最大化」という戦略
レポートの中で特に反響が大きいのが、中堅事務所の戦略ポジションについての提言です。
大手法人が「大量案件×大量処理」で規模を追求する中、中堅以下の事務所が同じ土俵で勝負しても、経営資源や価格競争力の面で不利になるのは明白です。
そこで当社が提唱しているのが、「狭属性エリアNo.1」と「相続LTV(顧客生涯価値)最大化」の二軸戦略です。
具体的には、相続手続き・遺産整理を「集客商品」として位置づけ、二次相続提案(遺言書作成・遺言執行)や不動産売却仲介を「収益商品」として組み合わせることで、1件あたりの受任単価・顧客LTVを大幅に引き上げるモデルです。
遺言書作成だけでなく遺言執行まで獲得できれば、将来の遺産整理報酬の単価競争に巻き込まれることなく、1件100万円以上の報酬が見込めます。さらに不動産売却仲介を組み合わせれば、案件全体の受任単価・顧客LTVは飛躍的に向上します。

なぜ多くの事務所で「二次相続提案」が進まないのか
ただし、この戦略の有効性を理解していても、実行できている事務所は多くありません。
事務所側は「既存業務が忙しく、追加提案に手が回らない」「営業的な話をして関係性が悪くなるのでは」と消極的になりがちです。一方、顧客側も「まずは今の手続きを終わらせたい」「次の相続のことはまだ考えられない」という心理状態にあります。
この双方の心理的ハードルが、大きな機会損失を生んでいるのが現状です。
レポートでは、この構造的な課題を可視化した上で、「二次相続提案の仕組み化」と「継続的な顧客フォローシステムの構築」という2つの具体的な解決策を、実行ステップとともに解説しています。

レポートで解説している主な内容
本記事でご紹介したのはレポートのごく一部です。レポート本編では、以下の内容をより詳しく解説しています。
相続市場の最新統計データと2040年までの将来予測
2026〜2027年の制度変更が士業事務所に与える具体的な影響
大手法人・異業種プレイヤーの最新動向と競合データ
中堅事務所が構築すべき収益モデルの全体像
二次相続提案が進まない構造的な理由と、その解決策
業務の「ファクトリー化」と「チームリレー型」体制への転換方法
LINEステップ配信を活用した顧客ナーチャリングの具体的フロー
300件以上の士業事務所の経営支援実績をもとにまとめた、実践的な内容です。
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